The moon and sixpence

The moon and sixpence 月と六ペンス

私が最近読んだ中で一番気に入ってる本です


題名は、月という美しく幻想的で高尚なものと、六ペンス銅貨という通俗的なものを並べた感じらしいです、本文に出てこないからわからんかったわ


何がいいって、前半のイギリスらしい清潔さと後半の色彩の鮮やかさ苛烈さですよ


あーやばい、みんなも読んで


内容に触れることあんまり言いたくないしいってほしくないと思うので慎重に語らねばね


主人公のモデルは「我々はどこから来たのか、(略)」で有名なゴーギャンです


序盤、かれはつまらない男として描かれます。ところがそんな彼は突然ロンドンの家族を残してパリへと行方をくらまします

まず、ここでの主人公のつまらない男としての描写がめちゃくちゃ上手なんですよ。本当に平凡で平凡らしさが溢れてる


次に、行方をくらました主人公と語り手がパリで会うシーンの会話は、主人公の本性と言うべき、どぎつさが溢れんばかりで、紙の内側で熱い血脈が拍動しているようにかんじられます。ここも本当に描写が凄くて、このページ数でここまではっきりと主人公をよく表せるってのに感動します


物語は進んで、ある女の人とその事件のあと、語り手が彼女に関して語るところが、言い得て妙なんですよ。やばい

そもそも事件のところらへんのある人物の描写が、本当に可哀想で愚かでどうしようも無くて愛しくて涙が出ます、胸が痛い


それから最後の方、主人公がタヒチに移住するところ、展開の早さや主人公の選択、周りの登場人物の豪胆さが、物語に原色を塗りたくるように鮮烈な印象を与えます。赤青緑そのまま彩度が高いのをバケツでぶちまけたような文章がたまらないんです


なんかもう、内容あんまり言わないようにするとよくわからないので誰か読んで語り合おうよ

今買ってあるやつ読み終わったらモームをさらに何冊か読む予定です。しかし今買ってあるやつって割と固めの内容の文庫20冊なのでつらい、受験?知らないですね、知ってるけど